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最悪なる災厄人間に捧ぐ(クリア)

https://www.kemco.jp/game/sss/index.html

 


『最悪なる災厄人間に捧ぐ』 プロモーションビデオ

 

略し方は「さささぐ」らしいですね笑

 

全てクリアしました!!!

・・・凄かったです。今のところ、ゲーム性はともかく、ストーリーでは今年入って一番良かったです。

あまりADVをやらないので選択肢の多い少ないは正直どっちでもいいんですが(というかあんまりわからん)、読み物としては素晴らしいです。

 

精神的にエグいって部分や鬱展開が多いですが、それでもとても愛おしい。

出してる会社がマイナーっぽいだけにあんまり有名作じゃないのかなぁ・・・「隠れた名作」なので、オススメしたいです。

あと、精神的にエグかったりはするけれど、作中結構プレイヤーが勇気付けられるセリフとか多いのでやって損は無い。

 

ゲームの内容が「パラレルワールド」を題材としたお話なのですが、

設定が非常にややこしく、そして情報が多いので、流し読みではだいぶきついと思う。

設定を理解して、頭の断片に残しておきながらのプレイが必要となる。でないと多分話しについていけない。

 

設定がややこしく、情報が多いので、「実は情報過多でうまいこと言いくるめられて活かせてない設定とか忘れられていつの間にか改ざんされてる設定あるんじゃね?」とか思うくらいには情報が多い。実際どうなのかもうわかんないんですけど・・・笑

 

あとは、たまにごり押し展開があるかなーって部分と、「このセリフさっさと終わらせるべきなのにくどいなー」と思う部分があったりもする。

だが、そんなものは全体的に見ると些細なもの。

総合的には非常によく練られているゲーム、だと思います。

終わっちゃったのもったいないな・・・。はあぁ・・・。

 

 

「出会えてよかった」と思えるゲームでした。

マジ、オススメ。

 

 

 

 

下記、ネタバレの為伏せます。

 

 

しっかり追加シナリオもクリアしました!!!!

幽霊の2人の終わり方は、「2人が出会わなくても幸せになれる道」を捜す前の豹馬君とクロが求めた世界に近い気がします。

それでも二人は恨み合って、でもそこには愛情もあって、歪んでいるけれど、救われたと思いたい。

いつか二人で絶望する時が来るかもしれないけれど、それでも・・・。

 

追加シナリオは「この幽霊が生きてる豹馬君と協力プレイとかありそうだなー」とか思ってたらやっぱりあったな!って感じだったのですが、なんか予想外の協力プレイというか、まさか「一緒に子育て」とは思わなかったので(笑)、面白かったです。

それと、あのクロが狂う世界も存在したんだなという事。しかもそれがリーダーだったということ。

追加の方ではなくメインでリーダーを「これもクロなのかな」と思うようになった時、5つの世界のクロとかどれも当てはまらない感じだったのでどんなのか想像ができなかったんですが・・・まさかあそこまでだったとは・・・。

確かに豹馬とクロは共依存的な関係だったけれども、クロがあそこまで過剰に豹馬君に依存していた世界があった、という事がなんか・・・なんか・・・・・やっぱりそういうクロもいたんだな、って。

 

なつの自殺は、メインではただただ「豹馬を解放する為に行ったもの」として認識してたんですが、まさか死後リーダーと会っていたなんて衝撃でした。

そうだよね、なつだって自殺したからあの何も無い空間に行ったんだよね・・・。

そしてリーダーに現実をたたきつけた。

 

「なつは一番子供っぽくてワガママなクロ」だと思っていたのに、納豆世界の災厄シナリオで、「実はなつは一番大人だったんだ・・・」と気付いた時、めちゃくちゃ涙が溢れました。

他のクロが抵抗感を持っていた『豹馬君にワガママを言う』という役割を申し出たのはなつだった。

なつは意識してなかったかもしれないが、実は一番嫌な役を引き受けたのは彼女だったんだなと思うと・・・おっとまた涙が・・・。

 

 

でも5人の災厄シナリオで一番心がぐっとなった、というか、インパクトが強かった、いや、多分「一番好き」だと思ったのはみそ世界の災厄シナリオだったと思う。

納豆世界での、死ぬ前のみーの叫びは本当に辛かった・・・。

でも、正義感が強そうで間違ったことが最も許せ無さそうなみーが、歪な形のシナリオだったのが堪らなかった。

ゲームをしていて、嗚咽をもらして泣いたのは多分このゲームが初めてであり、

それがみーのこのシナリオでした。

でも、実はどのクロの災厄シナリオもボロ泣きしている。みーは特に泣いたのである。

 

ふーの災厄シナリオの、巡り巡って最後は豹馬の手で一番かわいそうな殺し方をしてしまうのが個人的にはトラウマです。

 

 

1つ気になるのですが、なつの自殺は上書きされたことによってなくなったけれど、

上書きされた場合、なつの償いの試練はどうなるのか。

なつは、自分が何もない場所に居続ける事を選んだのか。彼女は自殺後、救われているのか。

それとも、上書きされたことで、上書き前のなつは消えたのか・・・いや、世界が繰り返しているなら、そもそもなつは最終的に自殺を止められるから「何も無い場所」に行くことはないのか・・・。

この辺が、よくわからない。

救われていて欲しい・・・。

 

 

 

トゥルーエンドでは、きっとまたここから多くの分岐が生まれていくんだろうな。

クロが豹馬君に声をかけた世界、声をかけなかった世界。

豹馬君が恐れていた、「自分を置いてクロが元の世界に戻る」という結末を結局は迎えることになったわけだけれども、でも、クロはきっと豹馬を置いていく事は無いんだろうな。

クロと豹馬君は「お互いいなくても生きることはできる。でも磁石のように惹かれあう存在」であってほしいと思う。

 

できることなら、「クロが豹馬に声をかけない」世界が生まれない事を願いたい。